よく聞く相談の中の1つに
「目標言語で何かを言おうとしても、すぐに出て来ない。」
があります。
時間をかければ、文章が作れるのに
質問されたことに、瞬時に返事をしようとしても
すぐに出て来ない…。
すごくよくわかります。
では、まず日本語の会話を考えてみましょう。
例えば、
日本語で
「最近見た映画は何ですか。」
と聞かれたら、どのように反応しますか?
1.最近見た映画を考えながら、同時に何か言葉を発する場合が多いかもしれませんね。
「そうだな…」「えっと…」「映画かぁ。」など。
2. 最近見た映画があるかないか、あればその映画の名前を答えます。
「最近映画館には行ってないけど、この間テレビでタイタニック見たよ。」とか。
3.次に相手に何か尋ねるか、見た映画について詳しく話すかもしれないですね。
「Aさんもこの間タイタニック見た?」「Aさんは最近どんな映画見た?」「タイタニック久しぶりに見たけど、やっぱり面白かった!」など。
↑のようなやり取りとりが続くと思います。
では、目標言語(ここでは英語とします)だと、どこでつまづいてしまうのか考えてみましょう。
まず、第一に質問をしっかり聞き取る必要がありますね。
一度で聞き取れなくても大丈夫です。もう1度言ってもらいましょう。
「最近見た映画は何ですか。」“What movie did you recently watch? “
という質問が聞き取れたら、
1.最近見た映画を考える。=>すぐに思いつかなければ、【つなぎ言葉】を言う。
“Well…” “Let me see…” “Umm…” “What movie….”
(つなぎ言葉はなくてもOKです。)
《ここからが本題です。》
2.答えたいことを思い浮かべて、それを言葉(目標言語)にします。
会話中に自分の言いたいことをできるだけ時間をかけずに言うことが難しいんですよね。
では、時間をかけずに言いたいことを言うためにはどのようなことが必要でしょうか。
以下は、私の思う【瞬時に話すためのポイント】です。
(1)単語を知っているか
⇒言いたい単語を知らないと言葉に詰まってしまいます。
さらに、会話中に使える単語はただ知っているだけではなく、
使いこなせるくらい自分のモノにしておく必要があります。
(2)語順を知っているか
⇒どのような順番で組み立てれば良いかが身についていないと時間がかかってしまいます。
頭で順番を考えているうちは、なかなか瞬時に文にすることは難しいです。
英語の場合は、少なくとも基本の5文型はサッと言えるようにしておきましょう!
《参考》
(3)言いたい単語を知らない場合、他の単語を使って表現できるか
⇒これができると、ぐっと言えることの幅が広がります。
会話中に言いたいけど目標言語で何というかわからない単語は必ずでてきます。
その時、他の知っている単語を使って伝える事ができると、
会話をスムーズに進めることができます。
例えば、
コーヒー(coffee) という単語を知らなかったとしたらどう表現しますか?
コーヒーから連想するものを挙げてみてください。
a drink (飲み物)| black (黒)| bitter (苦い)|morning (朝)|starbucks (スタバ)
こんな感じでしょうか。
ここまで単語が出れば、coffee と分ってもらえるはずです!
Do you like … umm… the bitter black drink, which people usually drink in the morning?
この練習には、単語をあてるゲームがいいですね。
It is a drink…. which is black… and bitter…. , and people usually drink it in the morning.
Guess what it is!
(それは、飲み物です。それは、黒くて、苦くて、そして人々は普段朝飲みます。
それが何か充ててみて。)
(4)間違っていても、とりあえず言いたいことを伝えられるか
⇒単語を並べただけでも言いたいことが伝わることが多いです。
文章が作れない場合は、とりあえず単語を並べて理解してもらうようにするといいですね。
瞬時に言いたいことを言うための方法として、
【チャンク(かたまり)】で覚えてしまうことはとても効果的だと思います。
一つ一つの単語だけではなく、よく使う組み合わせのかたまりで覚えてしまうと、
言いたいときに、かたまりで浮かぶので素早く文が作れます。
例えば、
Hope to see you again. (また会えると嬉しいです。)
You worry too much. (心配し過ぎです。)
I don`t know how to use it. (それの使い方がわかりません。)
このようなチャンクで覚えておいて、一部の単語を変えるだけで
他の事を言えるように練習してみてください。
例えば、
You worry too much. (心配し過ぎです。)
⇒You eat too much. (食べ過ぎです。)
⇒I often eat too much. (私はよく食べすぎます。)
このように、単語を少しずつ変えていろいろなパターンの文を言えるように練習します。
《参考》
それから、
瞬間作文トレーニングも効果があります。
これは、瞬時に目標言語にする練習です。
①日本語の文を読んで、目標言語に訳してみる。
⇒自分の苦手な部分が分かります。
②イラストを見て、目標言語で説明してみる。
⇒母語を介さずに目標言語だけを使って文を作る練習ができます。
講師や友達と瞬間口頭トレーニングをするのもお勧めです。
事前に自分が作った質問文を講師や友達に渡しておいて、質問してもらうのもいいですし、
ランダムに好きな質問をしてもらうのもいいですね。
1000本ノックのようにどんどん質問をしてもらって
それに対して何らかの返答をするトレーニングをすると力がつくはずです!
その時、答えが一単語だけとか短い文にならないように気を付けてください。
できるだけ、自分の意見をプラスして長めに答えられるようにしてみてくださいね。
今回は、以上です。
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