日本語話者にとっての、英語の受動態の難しいポイントを考えてみました。
受動態の難しいポイントは、
英語の受動態は直接受け身なのに対して
日本語の受動態は直接受け身と間接受け身があるところだと思います。
日本語の直接受身はこんな感じです↓
(能動態)「そのカンガルーは私を蹴りました。」
The kangaroo kicked me.
(受動態)「私はそのカンガルーに蹴られました。」
I was kicked by the kangaroo.
では、次に日本語の間接受身を英語にしてみてください。
①「下校途中、雨に降られました。」
②「友達の子供に泣かれました。」
↓
↓
↓
↓
↓
On my way home from school, I was rained by rain???(X)
I was cried by my friend`s child???(X)
「~されました」なので英語でも受動態にしたくなりますが、
これらは受動態にできません。
1つの理由としては、これらの動詞が自動詞だからです。
日本語では受動態(間接受動態)ですが英語では能動態で表します。
①On my way home, it rained on me.
(I got caught in the rain. )←こんな感じにも訳せますね。
② My friend`s child cried on me.
自動詞(目的語を取らない動詞)は英語では受動態にできない、
ということがポイントですね。
それから
「母にお気に入りのスカートを捨てられました。」
を英語にするとどうでしょう?
この文の主語は?
日本語の文では省略されていますが、「私」が主語です。
私は、母にお気に入りのスカートを捨てられました。
ただここでは、捨てられたのがスカートなので
My favorite skirt was thrown away by my mother.
私のお気に入りのスカートは母に捨てられました。
と書くこともできますが、
My mother throw away my favorite skirt (without asking).
の方が文のニュアンスが近いです。
尚、日本人の英語学習者が受動態を多く使ってしまいがちな理由は
日本語は主語を省くことが多いので、
日本語の文を英語に訳そうとするとまず目的語が頭に浮かんでしまうので、
そこから文を作ろうとすると受動態の文になってしまうからかもしれません。
英語の受動態を使うポイントは、
まず主語をはっきり言いたくないときや
能動態の文の目的語を強調したいときに使われます。
My watch is broken! 私の腕時計が壊れてる!(壊された状態になっている)
誰かが壊したのか自然に壊れたのかもわからないですし、
ここではただ「腕時計」が壊れていることを言いたいので
受動態が使われています。
Someone broke my watch! 誰かが私の腕時計を壊した!
と言うこともできますが、
この場合は「誰か」を非難している感じが強くでていますね。
受動態を使う場合には伝えたい内容について考える必要がありそうですね。
今回は、以上です。
コメント